【予防・改善】アルツハイマー型認知症で知っておきたいこと

ナットウキナーゼ

納豆に含まれる酵素「ナットウキナーゼ」やレシチン、コリン、ビタミンKなどの成分が認知症予防に良い理由を解説しています。アルツハイマー病は毎日の食生活を見直すことで予防・進行防止できる病気です。健康的な老後のために今日から予防を始めましょう。

アルツハイマー予防として注目の成分をチェック

ナットウキナーゼとは?

ナットウキナーゼとは、納豆のネバネバ成分の中に含まれるタンパク質の分解酵素のことです。大豆を納豆菌が発酵させる過程において発生する物質で、1925年には、旧・北海道帝国大学の研究チームによって、その存在は発見されていました。

納豆は日本人にとってはお馴染みの食品ですね。個人的な好き嫌いは大きく分かれる、ある種のクセの強い食材ではありますが、従来より「健康に良い食べ物」というイメージが強いのではないでしょうか。そして、そんなイメージをさらに増幅させることになったのが、1980年代に発見された、ナットウキナーゼという成分がもたらす効果に他なりません。このナットウキナーゼには、脳梗塞や動脈硬化などの原因となる血栓を分解(溶解)する作用があることが発見されました。いわゆる「血液サラサラ効果」をもたらすとして注目を集めています。

このように、健康によい食品(成分)としての地位を確立したナットウキナーゼですが、近年においてはさらに、アルツハイマー予防への効果も期待できるのではないか、という研究が進んでいるのです。

ナットウキナーゼにアミロイド分解効果が!?

本サイトでも繰り返しご紹介しています通り、アルツハイマー病は、βアミロイドというたんぱく質が脳の神経細胞に蓄積し、ダメージをもたらすることで発症すると考えられています。そして、このβアミロイドの蓄積を抑制したり、分解したりする効果的な方法は現在のところまだ見つかっておらず、なるべく脳を活性化させて症状の進行を遅らせる治療が一般的です。

そんな中で、近年の研究において「納豆の酵素であるナットウキナーゼは理論上、アミロイドを分解することができる」という研究が進められているのです。

この説は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のグラッドストーン神経疾患研究所に所属し、アルツハイマー症の専門家であるLi Gan氏によるもの。脳神経に有害であるとされているアミロイド線維を分解するナットウキナーゼの能力はかなり有望で、なおかつ食品に含まれている酵素なので副作用などもほとんどなく、アルツハイマーの治療薬開発につながるのではと、期待が持たれているそうです。

ただし、これはまだ実験の段階で、試験薬を飲んでも身体の各部分には届くけれど脳にきちんと届くのかはわかっていません。もし確実に脳に届けば、アルツハイマーがある程度進行した人も回復する可能性があるかも…という期待の元で、試験や実験などが行われている段階です。

まだまだナットウキナーゼとアミロイドの関係は研究段階ですが、ナットウキナーゼには血液をサラサラにして血栓を防ぐ効果があります。脳血管型の認知症を予防、アルツハイマー型認知症の引き金になりうる高血圧や心筋梗塞などを予防できますので、健康のためにも積極的に食べた方が良いでしょう。

納豆に含まれる脳に良い成分とは?

納豆にはナットウキナーゼ以外にも脳に嬉しい成分が色々と含まれています。

レシチン

脳細胞膜を構成する重要な物質。認知症を防ぐだけでなく、記憶力、集中力、学習能力、思考能力など、脳の神経活動の活発化に役立ちます。

レシチンを構成するリン脂質である「大豆由来ホスファチジルセリン」は、記憶力の低下予防や脳機能改善の働きを持っているためです[1]。

コリン

脳の伝達物質アセチルコリンを作る元となる物質で、レシチン内に含まれています。記憶の中枢である海馬には特にアセチルコリンが多いため、記憶力キープには不可欠な成分です。

アルツハイマーで使用されている治療薬の中に、「コリンエステラーゼ阻害薬」という薬があります。これは、重度のアルツハイマーにも用いられている治療薬で、コリン性神経伝達物質の低下を防ぐためのものです[2]。

ビタミンK

血液を固まらせない効果があり、血栓を予防の期待ができます。

ビタミンKは、カルシウムを結合させるために必要なビタミンで、骨粗しょう症の予防や改善に効果がある成分です。また、血液を凝固させる「γ-カルボキシグルタミン酸」を含んでおり、傷をしたときに出血を止める働きがあります[3]。

ビタミンK2

骨粗しょう症予防効果があります。健康的な運動を続けるためには丈夫な骨を保つことが大切です。ただし、このビタミンK2には血液凝固を促進するという、ナットウキナーゼと真逆の作用もあります。なおナットウキナーゼそのものにはビタミンK2は含まれていませんので、血栓予防や血液サラサラをより重視するのであれば、ナットウキナーゼのサプリメントの方がよいでしょう。

ビタミンK2は骨の代謝のために必要な成分で、骨粗しょう症の患者の骨を調べてみると、ビタミンK2の量がかなり減少していたという結果が報告されています。先にご紹介したビタミンKと同様の働きをするビタミンK2ですが、体の中により多く含まれているのはK2のほうです[4]。

カルシウム

アルツハイマー患者は尿中のカルシウム量が多くなります。認知症状を防ぐには日頃からカルシウムをしっかり取るようにしましょう。

また、高齢者の認知症発症と食事の因果関係を調べた結果によると、カルシウムを多く含んでいる牛乳や乳製品の摂取量が多い方では、アルツハイマーを発症させるリスクが大きく低下したと報告されています[5]。カルシウムは骨を健康に保つだけでなく、認知機能を維持するための働きもあり、さらに高齢者の生存率を上昇させる働きもあるという重要な成分です。

イソフラボン

カルシウムの流出を防ぐ効果があります。

さらに、大豆イソフラボンの見逃せない働きとして、「神経幹細胞の増加」「ニューロンの生成」などが報告されています。脳神経の細胞を増やし、ニューロンを新しく作り出すことによって、脳の認知機能障害を改善する働きがある可能性もあり、アルツハイマーの予防、改善に大きく役立つでしょう[6]。

納豆を食べる際に気を付けたいこと

また、納豆を食べるときには何かしらの薬味を入れると思いますが、「たまねぎ」や「ナッツ」がオススメとのこと。たまねぎに入っている硫化アリル(涙が出るアレです)はナットウキナーゼのパワーを高める効果があり、ナッツにはもともと脳の老化防止効果が期待できます。

1点注意したいのは、塩分量。付属のタレを全てかけてしまうと塩分が多いので、半分くらいにしておきましょう。タレの水分が足りない場合はお出汁をかけたり、お酢をかけたりしても美味しいですよ。

効果的な摂取量

ナットウキナーゼの摂取量は、「日本ナットウキナーゼ協会」の推奨によれば、1日あたり2,000FUが目安だとされています。FUというのはナットウキナーゼの活性を表すための単位で、納豆50gの摂取であれば、ナットウキナーゼ活性は1,500FU程度です[7]。

そのため、ナットウキナーゼを納豆で摂取する場合、1日あたり1~2パック程度を食べれば良いでしょう。

ただし、賞味期限が近くなった納豆はナットウキナーゼ活性が低下し、さらに熱を加えると急激に低下するとされます。条件として、水分と共に50℃以上になると低下し始めるため、納豆は加熱せずに食べるほうがおすすめです。

③最下部に他にもアルツハイマーに効果のある成分があることが訴求されていないため、加筆をお願い致します。

そして、アルツハイマーに効果的だといわれている成分は、ナットウキナーゼだけではありません。例えば、ホタテに多く含まれるプラズマローゲン、青魚に含まれるDHAやEPAなどもあり、それぞれアルツハイマー改善に異なった効果を発揮してくれます。

アルツハイマーの効率的な改善を目指すなら、これらの成分も含めて比較、検討をした上で、最も効果的だと思われる成分を選ぶことが大切でしょう。

[1]

参考:公益財団法人 日本醸造協会『(PDF)平成11年度味噌・食酢の研究業績』

[2]

参考:日本臨床薬理学会『(PDF)1. 神経領域 (アルツハイマー病の分子標的治療)』

[3]

参考:公益社団法人 日本農芸化学会『(PDF)オカラ発酵による水溶性ビタミンKの生産』

[4]

参考:社団法人 日本老年医学会『(PDF)退行期骨粗鬆症における血清ビタミンK濃度の検討』

[5]

参考:日本酪農科学会『(PDF)中高年者におけるビフィズス菌配合カルシウム強化ミルクの継続摂取と健康状態に関する横断研究』

[6]

参考:守屋孝洋『(PDF)大豆イソフラボンによる認知症予防効果における海馬ニューロン新生の役割の解明』

[7]

参考:日本ナットウキナーゼ協会『ナットウキナーゼFAQ』

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