【予防・改善】アルツハイマー型認知症で知っておきたいこと

ポリフェノール

赤ワインに含まれるポリフェノールは、体をサビつかせる活性酸素を除去する力がとても強く、アルツハイマー予防効果も期待できる成分です。飲みすぎることなく毎日適量を守ればいつまでも若々しく健康な体でいられますので、積極的に取り入れてみてはいかがでしょう。

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ポリフェノールの高い抗酸化作用で認知症予防

アルツハイマー型認知症の予防効果を発揮する食品の一つに、赤ワインがあります。赤ワインの中には、高い抗酸化作用を持つ「ポリフェノール」が含まれており、活性酸素の増加によって引き起こされる認知症を予防するとされます。

ワインに含まれるリスベラトロールは神経用細胞の酸化ストレスを低減する。リスベラトロールは分化および未分化ヒト神経芽細胞SH-SY5Yにて,赤ワインの経口摂取で得られる濃度よりはるかに低濃度で(1μM),マイトジェン(分裂促進因子)活性化タンパク(MAP)キナーゼである,細胞外シグナル制御キナーゼ1(ERK1)およびキナーゼ2(ERK2)のリン酸化を誘導した。

出典:厚生労働省『(PDF)ワインと健康』

MAPキナーゼというのは、細胞内での情報伝達に関わっていて、特にERK2のリン酸化は学習や記憶などの能力を維持するために必要です。このように、脳の神経細胞を活性酸素から守ることによって、脳の働きを維持し、認知症の発症を予防すると考えられています。

フランス南西部で行われた大規模疫学研究とは?

一例として、フランス南西部で行われた大規模疫学研究においては、毎日250ml以上赤ワイン飲む人はアルツハイマー病・認知症の発症リスクを下げるという結果が出ているのだそうです。別の研究結果では、フランスで赤ワインを毎日グラス3~4杯飲んでいる人のアルツハイマー型認知症の発症率は、全く飲まない人の4分の1にとどまっていたという報告もあるとのこと。

ポリフェノールに含まれる有効成分

ブドウの皮の色はポリフェノールの色であることでもわかるように、ポリフェノールは皮に多く含まれています。「国民生活センター」の資料によると、白ワインよりも赤ワインのほうがポリフェノールが多いと言われる理由は、皮や種を取り除いて醸造するためだそうです[1]。

ブドウに含まれるポリフェノールの中でも、特に「ミリセチン」と「リスベラトロール」という成分がアルツハイマー予防に高い効果を示すと言われています。リスベラトロールの効果は先にご紹介した通りですが、ミリセチンは、認知症の原因となるアミロイドβという物質の働きを抑制する効果があるとされます。

Figure4に示すように,ミリセチンはAβモノマーからのアミロイド繊維形成,および繊維伸長反応を抑制した.

出典:公益社団法人日本薬学会『(PDF)アミロイド線維形成の重合核依存性重合モデルと線維形成阻害薬の探索』

ミリセチンのアミロイドβに対する働きと、リスベラトロールの神経細胞を守る働きによって、ポリフェノールは多方面から認知症の予防に一役買ってくれるのです。

ミリセチンの働き

アルツハイマーの原因とされているβアミロイドが脳内に蓄積するのを防ぐ働きがあり。また、βアミロイドが原因で起こるシナプス(神経伝達物質)抑制を防ぐ効果もあります。ブドウの皮や種に豊富に含まれています。なお、その他の果物や野菜にも含まれているので、ワインが飲めない、アルコールが苦手という場合は、野菜ジュースや果物ジュースなどの摂取でも効果が期待できるそうです。

レスベラトロールの働き

抗酸化作用のほか、抗炎症作用で脳細胞を損傷から守る働きがあります。また、サーチュイン遺伝子という細胞の生まれ変わりを促進する遺伝子を活性化させることで、細胞の若返りを促す効果もあります。

フェルラ酸の働き

また、「フェルラ酸」という物質も認知症に有効との論文がいくつか発表されています。アルツハイマーで通院中の患者に9ヶ月間フェルラ酸を摂取してもらったところ、軽度アルツハイマーの患者の認知機能は9ヶ月間ずっと改善し続け、中等度の患者も6ヶ月は改善傾向がみられた、という非常に高い効果が得られることがわかりました。

フェルラ酸もポリフェノールの一種でワインの原料であるぶどうにも少量含まれていますが、よりたっぷりと摂取したいのであれば米ぬかがオススメ。米ぬかは食物繊維でもあり、血糖値を揚げにくくするスローカーボに分類されるので、アルツハイマー予防にはぴったりな食材です。米ぬかでクッキーを作って、ワインと一緒に楽しむのも良さそうですね!

健康に良い赤ワインの見分け方

赤ワインは銘柄によって入っているポリフェノールや健康成分などが異なるため、なるべく健康効果の高いものを選んで飲むようにしましょう。選ぶ際のポイントは、以下の4つです。

ブドウの種類

比較的古い品種で、あまり品種改良がされておらず渋みが多いほうが良いです。おすすめはカベルネ・ソーヴィニヨン、ネッピオーロ、シラー、メルロー、グルナッシュ、ピノ・ノワール、アリアニコなど。主に南フランス・イタリア(ローマ)地方の品種が良いとのこと。

ワインの種類

健康成分が多いワインほど、渋みやえぐさが強い傾向にあります。フルーティであっさりしたライトボディより、やや飲みづらいですが深みのあるフルボディがおすすめです。

ワインの産地

産地によって日照時間や降水量など、ブドウの栽培条件が異なり健康成分も変わってきます。オススメは初夏の日照時間が長く、栄養満点のブドウが使われる南フランス産です。オーストラリアやチリ、カリフォルニアなどワイン新興国よりはフランスやイタリアなど昔からワイン作りが盛んな地域のほうがポリフェノールが多く含まれています。また、名産地フランスの中でもローヌ、カオール、ボルドー地方の銘柄のほうが栄養価が高い傾向があります。

ワインの製法

こちらも産地や銘柄によって違いますが、中には渋みやえぐみを減らすために活性炭フィルターなどを通すことで栄養を奪っているものもあるので、気をつけましょう。

このように、ワインの選び方一つでもかなり健康効果が左右されてくるので、初めは難しいと思います。ワインに詳しいスタッフの居るお店で聞いたりするのが良いかもしれません。興味がある方は、是非ご自身で色々調べてみてください。こういった調べものや知識欲は、アルツハイマー予防にとっても効果的ですよ!

赤ワイン以外にもある、様々なポリフェノール

赤ワインに含まれるポリフェノールには、アルツハイマーの予防に大きな効果をもたらしてくれることが期待できます。ただし、赤ワインはお酒であり、例えばお酒が苦手な方や、肝臓の具合が悪い方などには不向きという側面もあります。赤ワイン以外で、アルツハイマーの予防効果が期待できるポリフェノールを含む食品などについてもご紹介しておきましょう。

オリーブオイル

アメリカ・ルイジアナ大学のAmal Kaddoumi氏によって発表されています。オリーブオイルの消費量が多い地中海地域での認知症者が少ないことに着目して調査した結果、エクストラ・ヴァージン・オリーブ・オイルに含まれる、オレオカンタールという抗酸化ポリフェノールが、アミロイドβを除去するのに必要なタンパク質や酵素の生成を増加することが分かったそうです。

緑茶

飲料メーカーである株式会社伊藤園と静岡県立大学薬学部、社会福祉法人白十字会の行動研究によって、お茶に含まれるフラボノイドの一種、カテキンにアルツハイマー予防効果があることが発表されています。血管性認知症8名、アルツハイマー病3名、レビー小体型認知症1名に3ヶ月緑茶を摂取してもらう調査において、認知機能検査の結果が大きく向上したとのことです。

チョコレート(カカオポリフェノール)

チョコレート菓子の製造・販売でおなじみの株式会社明治が、愛知県蒲郡市と愛知学院大学と共同で実証研究を行った結果によると、カカオポリフェノールにはBDNFを増やす働きがあるそうです。BDNFは脳細胞を増加させるために必要な物質で、加齢とともに減少していきますが、チョコレートを摂取した後には増加したと報告されています。また、カカオポリフェノールには、脳の血流を増加させる働きも認められています。

そば(ルチン)

ルチンの認知症予防効果については、2012年の「j.neuroscience」によって報告されています。認知障害のあるラットにルチンを与えたところ、炎症性物質の放出を抑えて神経の炎症を改善し、酸化ストレスを軽減、さらに海馬が変化することを予防します。これらの働きがあることから、ルチンがアルツハイマー型認知症の治療に活用できる可能性があると報告されました。

コーヒー(コーヒーポリフェノール)

コーヒーポリフェノールと認知症の関係性については、一般社団法人 日本神経学会による「認知症疾患診療ガイドライン2017」に記載されています。コーヒーポリフェノールを含むコーヒーを摂取している人の方が、認知機能の低下が緩やかになり、認知症発症のリスクを軽減させると報告されています。ただし、効果を発揮させるための具体的な摂取量などは、まだ研究段階であるため明らかになっていません。

ブルーベリー(アントシアニン)

サプリメントの開発と販売をしている株式会社わかさ生活は、鳥取大学の河田康志教授と共同で研究を行い、「アントシアニンによるアルツハイマー病のin vitroおよびin vivoモデルにおけるアミロイドβの分子形態変換を介した蓄積・毒性の抑制」を発表しました。この論文は「Nutritional Neuroscience」に掲載され、アントシアニンが、認知症の原因であるアミロイドβが線維化することを抑えると報告されています。

生姜(生姜オール)

ショウガオールは生姜の中に含まれる「ジンゲロール」という物質から生成されますが、釜山大学のKim氏の研究によると、ジンゲロンには誘導性一酸化窒素合成酵素、シクロオキシゲナーゼ-2などの物質の働きを抑える働きがあると報告されています。これらの物質は炎症や酸化ストレスを促す物質であるため、ジンゲロールやショウガオールには、アルツハイマー型認知症を予防する効果がある可能性があります。

玄米(フェルラ酸)

サプリメントの開発・販売を行っている株式会社ファンケルは、6年前から予防医療の研究を行っていましたが、その中でフェルラ酸に認知症予防の働きがあることを発見しました。フェルラ酸は、認知症を引き起こす物質の一つである「リン酸化タウタンパク質」が蓄積されることを抑制し、神経細胞の伝達が悪くなることを防ぐ効果が期待できます。この研究結果は、「認知症の早期発見、予防・治療研究会」でも発表されました。

ポリフェノール以外のアルツハイマーに効果のある成分

ポリフェノールは様々な食品に含まれており、アルツハイマー型認知症の予防効果があると、複数の研究で認められています。ですが、認知症の予防効果がある成分は、ポリフェノールだけに留まりません。例えば、「プラズマローゲン」という成分は、最新の研究によって、認知症患者の記憶力改善効果などが認められており、注目の的となっている成分です。ポリフェノールだけでなく、これらの成分についても効果を確認して、最も認知症予防効果を得られそうな成分を選択してください。

[1]

参考:国民生活センター『(PDF)ポリフェノール含有食品の商品テスト結果』

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