【予防・改善】アルツハイマー型認知症で知っておきたいこと

アルツハイマーの発症原因

アルツハイマー病の基礎知識を身につけて、自分や家族が発症しないよう日頃から気をつけておきましょう。ここではまだ完全には解明されていないアルツハイマーを引き起こす複雑な原因のうち、重要だといわれている3つの要素について紹介します。

徐々に解明!アルツハイマーの原因とは?

現代医学をもってしても、完全な要因を突き止めることは難しいアルツハイマー。

その理由は、アルツハイマーは何か特定の原因物質や行動等があるわけではなく、長い時間をかけて脳の中で複雑な要素が絡み合うことで発症するものだからです。その要素というのが、まずは誰でも起こる「加齢」、それに加えて個人差が大きい「遺伝」「環境・生活習慣」など…。そのため、人によってアルツハイマー発症の危険性はかなり異なり、これらがどの程度脳に影響を与えるのかというところも人によって異なります。

原因1 加齢による脳の変化

ほとんどのアルツハイマー病は65歳以上で発症する「老人性」の病気。確かに年を取ると誰でも神経伝達物質は徐々に減りますが、アルツハイマーの場合は減り方がかなり急激。なぜ急にそういった変化が起こるのかはまだ正式に解明されていませんが、以下の2つが疑わしい、とされています。

脳の神経細胞のもつれ

死滅した、もしくは死につつある神経細胞には「もつれ」が生じますが、体は別のタンパク質でその部分を補います。その結果として、アルツハイマーを引き起こしてしまうタンパク質の沈着が起こるのでは?とされています。このタンパク質は「βアミロイド」と呼ばれるもので、脳全体に蓄積してしまうと、神経細胞を変化・脱落させて、脳の働きを低下させたり、脳萎縮を進行させると考えられています。

老人斑

脳の神経細胞の間に、「アミロイド」と呼ばれるタンパク質の破片が異常に集まってしまった状態のこと。この破片の塊が「老人斑」、あるいは「アミロイド斑」とも呼ばれます。

この老人斑の破片は互いにくっつきやすいため、小さな破片が集まってどんどん大きくなり、やがて神経細胞を圧迫し死滅させます。また、老人斑は神経細胞を圧迫するだけでなく、神経細胞にダメージを与えて死滅させるため、非常に害悪であるということがわかっています。

アルツハイマー型認知症では、初期の段階で、短期記憶をつかさどる側頭葉の海馬が、この老人斑によってダメージを受けることで、「今さっきの記憶」が思い出せなくなるという症状があらわれます。

原因2 遺伝因子

アルツハイマーは高齢者に起こる病気ですが、30~60歳で発症する「若年性アルツハイマー」というものがあります。アルツハイマー全体のうち若年性は5%未満ですが、ほとんどの症例が家族性であり、遺伝による要素が非常に大きいことが解明されています。

老人性のアルツハイマーも、特定の遺伝子(APOE ε4)を所有していることにより発症リスクが高まるとされています。しかし、この遺伝子をもっているから必ず発症するというわけではなく、もっていても発症しない人、逆にもっていないのに発症する可能性もあるそうです。

アルツハイマー病の原因となる遺伝子の研究

2017年の夏、興味深い研究結果が発表されました。東北大学大学院の生命科学研究科、牧野能士准教授らのグループによるもので、アルツハイマー病の原因となる遺伝子を多数推定することに成功したというものです。

これまでアルツハイマー病は、遺伝子の数の変化が原因であることはわかっていましたが、本当に原因となる遺伝子の特定はできていませんでした。牧野准教授のグループは、人間がもつ2万の遺伝子のうち、約30%を占めるというオオノログという遺伝子に着目。

このオオノログは数の変化に弱い特殊な遺伝子であり、その性質を利用することで、遺伝子数の変化が関与する病気であるアルツハイマー病の原因遺伝子を多数特定できたのだそうです。アルツハイマー病はもちろん、統合失調症など遺伝子数の変化が発症に関わる病気への応用が期待されているとのことです。

原因3 環境因子・生活習慣因子

身体の病気と脳の病気は関係ないと思いがちですが、実は「高血圧・糖尿病はアルツハイマーを引き起こす」と最近の研究で明らかになりました。この2つは生活習慣病の代表的な病気ですから、まずはこういった病気にかからないように務めるのが一番です。

食事面で気をつけることは?

食事面では、ビタミンEの多い食べ物が発症抑制に良いという研究結果が出ています。そのほか、ビタミンB群、ビタミンC、βカロテン、カルシウム、亜鉛、鉄などのミネラルが少なく、脂肪やコレステロールが多いと認知機能が低下する、という報告もあるので、やはりバランスの良い食事は大切。具体的にはビタミンC、E、βカロテンを多く含む野菜や果物、DHA、EPAが豊富な魚類、ポリフェノールを含む赤ワインなどが挙げられています。

近年色々といわれている「喫煙」ですが、タバコとアルツハイマーの直接的な関係はまだわかっていません…が、喫煙は高血圧や脳卒中など、アルツハイマーの引き金になる病気を引き起こすので控えたほうが良いでしょう。

日々の生活で気をつけることは?

体をよく動かす、新聞・雑誌を読む、ゲームをする、博物館へ行く…など、日頃から体や脳を使うことが多い人は比較的アルツハイマーを発症しにくいのだそう。年を取っても新しいことにチャレンジしたり、刺激を受けるのはとても良いことです。例えば、「2、3日前の日記を書く」、「レシートを見ないで家計簿をつけてみる」、「料理を作るときに、一度に何品か同時進行で作る」、「旅行プランの計画を立ててみる」、「効率のよい買い物ルートを考えてみる」といったことも有効と言われています。

睡眠障害や睡眠不足も原因のひとつと言われているので、規則正しい生活をすることを心がけましょう。起床後2時間以内にしっかり太陽の光を浴びることが良いと提唱している研究者もいます。また昼間に30分程度昼寝をすることが有益だということもわかってきました。

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