【予防・改善】アルツハイマー型認知症で知っておきたいこと

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若年性アルツハイマーとは?

ここでは60歳以前でも認知症状を発症してしまう「若年性アルツハイマー病」について、初期症状や発症年齢、間違いやすい別の病気などを解説しています。

65歳未満でも認知症が出てしまうケース

通常アルツハイマー病は65歳以上の高齢者が発症する病気ですが、65歳未満でも症状が出てしまうケースを「若年性アルツハイマー」とよびます。一般的には40~50代の中高年層が中心ですが、極稀に18歳から発症してしまうこともあるそう!ガンと同じく、年齢が若いと症状の進行が早く、病気が発覚したら注意が必要です。

若年性アルツハイマーの症状や原因は?

原因や症状は高齢者と同じで、脳にβアミロイドというタンパク質が蓄積して老人斑をつくってしまうこと、そして脳の萎縮です。ただし若年性の場合は「家族性」ともよばれ、遺伝による要素もあるので、家族でアルツハイマー型認知症を発症した方がいる場合は危険度が高まります。

若年性アルツハイマーの始まりは?

初期症状として、頭痛や不眠、めまいなどがあります。心理面では不安感、自発性の低下、抑うつ状態などにもなります。仕事のストレスやうつ病の始まりと一見見分けがつかず、本人も気付かないことがほとんどです。

アルツハイマーは発症までに数年の期間があります。この期間を軽度認知障害(MCI)とよび、症状としては日常生活は普通に送れるものの多少記憶障害が出ている程度。この段階で見つけられれば、早期発見の部類に入ります。

発症すると自己中心的になったり、以前より頑固になったり、周囲への配慮がなくなってきます。また、人によっては疲労感がどっと感じられるようになってきたり、急に何らかの衝動に襲われる、などの症状が出てくることもあります。老人性と同じく患者本人はこの変化に気がついていないことが多いので、周りで「あれ?」と思ったらそっと教えてあげてください。

若年性アルツハイマーだと何年くらい生きられる?

発症した年齢や進行スピードに個人差がありますが、だいたい15年程度は生きられるとされています。老人性アルツハイマーの寿命とそこまで差異はありませんね。

ただし若ければ若いほど進行スピードは早い傾向にあるので、比較的若い年齢で診断されてしまった方はもう少し短い寿命になるでしょう。また、どんどん筋力が低下していくため食べ物が飲み込めず呼吸困難になるケースや、食事が肺に入って誤嚥性肺炎などにより15年を待たずに亡くなるケースもあります。

アルツハイマーと間違いやすい症状

冒頭でも述べたように、主な患者は40~50代。それ以下の患者はほとんど事例がないので、10~30代で同じ症状がでたとしても単なる「ストレスや睡眠不足」が原因なことがほとんどです。

  • うつ病:物事に悲観的になったり不安感が襲ってくる。イライラ、睡眠パターンの変化、検査では異常がないのに体調不良を感じる…など。
  • せん妄:体が起きているのに頭は寝ている状態。よく夜間に起こり、幻覚や錯覚、意識混濁などが起こる。
  • 正常圧水頭症:脳内を流れる脳脊髄液が増えることにより記憶力や仕事効率が低下する病気。歩行障害や失禁が起こるケースもある。
  • 脳腫瘍:腫瘍の場所により、嘔吐や頭痛などの症状が出る。認知症のような症状が出ることも。
  • 脳血管性認知症:脳出血や脳梗塞などにより脳が損傷し、記憶障害などが起こるケース。損傷部位によって症状が異なる。
  • クロイツフェルト・ヤコブ病:アルツハイマーとは違うタンパク質が脳内に蓄積し、脳が機能しなくなっていく。非常に進行が早く1年以内で死に至ることが多い。

少しでも異変を感じたら病院へ

間違いやすい病気のなかにはとても危険なものも含まれていますから、「おかしいな」と自分で感じたり周囲から指摘があったら、悩むより先に病院で相談するのが良いでしょう。

また、特におかしいと感じていなくても健康診断の一環として50歳を過ぎたら定期的に脳ドックを受けることをオススメします。保険は適用外なので数万円かかりますが、重篤な病気を早期発見できる可能性を考えれば受けておいて損なことは絶対にありません。

日本での、若年性アルツハイマー患者の割合は?

若年性アルツハイマーはどの程度の割合で発症するのか?あるいは患者数はどれくらいいるのかといった点も気になるところではないかと思われます。

つい誤解してしまいがちですが、若年性アルツハイマー病は、若年性認知症のなかのひとつであり、必ずしも若年性認知症=若年性アルツハイマー病ではないのです。

若年性認知症の基礎疾患の内訳

  1. 若年性アルツハイマー
  2. 脳血管性認知症
  3. 頭部外傷後遺症
  4. 前頭側頭葉変性症
  5. アルコール性認知症
  6. レビー小体型認知症など

厚生労働省の実態調査

 
  若年性認知症の基礎疾患の内訳   
引用元HP:厚生労働省「若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要及び厚生労働省の若年性認知症対策について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0319-2.html#hyo1
 

厚生労働省が2006年度から2008年度の間に行なった実態調査が発表されていますので、ご紹介していきましょう。これは若年性アルツハイマーだけでなく、若年性認知症全体の患者数である点にご留意ください。

これらの疾患のうち、若年性認知症全体のうちで、若年性アルツハイマーの占める割合は25.4%であるとされています。

では、若年性認知症の実態調査の結果を見ていきましょう。この調査によると、全国の若年性認知症患者の数はおよそ3万7,800人とのこと。また、18歳~64歳の10万人当たり、47.6人であるという結果が出ています。

そしてもうひとつ、興味深い事実として、一般的に認知症は女性の方が発症しやすいのに対し、若年性認知症の場合は、男性の方が患者数が多いという結果が出ています。

若年性アルツハイマーの方への対応法

若年性アルツハイマーは働き盛りの人が突然発症するケースが多く、高齢者の認知症と違って、家族的な問題や、社会的な問題が多く発生することがあります。ここでは若年性アルツハイマーの方への適切な対応法について説明します。

家族のサポートが大切

家族が若年性アルツハイマーを発症してしまったときには、突然のことに慌ててしまうのも無理はありません。しかし、病気を発症してしまった本人には、環境の調整なども含めて適切な家族のサポートが必要になります。今後の治療によっては症状の改善もみられるかもしれません。そのため、まずは症状の改善に向けて環境を整えてあげることが大切です。

とくに初期の段階では、本人も今まで普通にやれていたことができなくなったという自覚もあり、強い不安感や戸惑いがある状態なので気を付けてあげましょう。

本人に告知すべきかどうか?

よくある質問に「本人に若年性アルツハイマーであることを告知すべきかどうか?」というものがあります。まだ仕事ができている段階で、本人にアルツハイマーであると告知してしまうと精神的なショックも大きく、仕事への悪影響も考えられます。

さらに、若年性アルツハイマーを発症した人は、元々うつになりやすい傾向があるので、精神的なショックからうつが悪化してしまう可能性もあります。

しかし、本人に若年性アルツハイマーであるときちんと告知しないことには、症状改善に向けて適切な治療を行うこともできません。まだ、理解力がある段階でアルツハイマーであると告知して、本人が病気を受け入れることができたならば、症状改善に向けて適切な治療を行えるという大きなメリットもあります。

本人や家族の状況などによって告知には適切なタイミングというものがありますが、「病気を一緒に克服しよう!」という家族のサポートがとても重要になります。

強制をしない・無理をいわない

今まで普通にできたことができなくなってしまい、本人は気分が落ち込みやすくなっています。家族の手助けを拒否するようなこともありますが、このときに無理強いをするとかえって強い拒否反応を示したり、興奮するケースがあるので注意が必要です。

本人がなにか失敗してしまったときに強い口調で責めてしまうと、精神的なストレスとなり症状の悪化を招いてしまいますので絶対にやめましょう。まずは、穏やかな気持ちになり、「今できることを一つひとつ着実にやっていこう」という家族の寄り添う気持ちが大切になります。

本人が言っていることを否定しない

アルツハイマーになってしまうと、「物盗られ妄想」や「幻視」といった症状が現れることもあります。

「物を盗られた(無くなった)」とか、ありもしない人や物の話を始めても、本人は嘘をついているわけではないので、けっして話を否定しないようにしましょう。否定をしても、本人には到底納得できないので、無駄な衝突が起こるばかりです。

介護拒否にもつながりかねないので、このようなときには「話を逸らす・気を逸らす」ような努力をしましょう。

介護拒否が起こってしまったときは?

認知症を発症してしまった方は、いろいろな理由から介護拒否することがありますが、そのような時にはどうすればよいのかについて説明します。

嫌がる理由を聞いてあげる

本人には介護拒否する理由というのがあります。ですから、介護拒否が起こってしまったときには、まずその理由を本人に聞いたり、これまでの生活習慣を振りかえってみたりして原因を探ることが大切です。

安心感を与える

介護拒否が起こる理由の一つに、介護に対する不安感というものがあります。本人が安心して介護を受けられるように、使用する食器一つ(いつも使っている物を使用するなど)に至るまで気を配り、安心感を与えてあげることが大切です。

相手の価値観を尊重する

アルツハイマーの人には、本人にしか理解することのできない価値観や考え方があります。そのため、介護する側の価値観を押しつけるような真似はやめましょう。

介護拒否が起こったときに、本人に介護者側の価値観から介護の必要性や重要性を説いたところで、本人の価値観と異なっているのですから理解して貰えるはずがないのです。

こちら側の価値観を押し付けるのではなく、本人の価値観や考え方を理解してあげましょう。

【参考】

若年性アルツハイマーの相談窓口はコチラ

上記の厚生労働省の調査を受け、また若年性認知症患者に対応できる窓口の絶対数が足りてにないことを受け、「若年性認知症の無料電話相談」を2009年10月より開設しています。

認知症対策等総合支援事業の一環として行われており、若年性認知症ならではのさまざまな疑問や悩み、トラブルへの対処方法などを、専門教育を受けた相談員に聞いてもらい、アドバイスが受けられるというものです。特に、ご家族で若年性アルツハイマーを発症してしまった方いる場合は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

運営元 社会福祉法人仁至会 認知症介護研究・研修大府センター
住所 〒474-0037愛知県大府市半月町3-294
電話番号 0800-100-2707(フリーダイヤル)
開設時間 月曜日~土曜日(年末年始・祝日除く)10:00~15:00

引用元:厚生労働省「若年性認知症コールセンターの開設について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/09/h0930-6.html

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