家族がアルツハイマーと診断されたら

アルツハイマー病の基礎知識を身につけて、身近な人や自分が発症しても慌てないようにしましょう。ここではもし家族が「もしかしてアルツハイマーかも?」となった時の対応、利用できる様々な制度、症状が進行する前に準備しておきたいことをまとめています。

アルツハイマー患者に家族がしてあげられること

家族は、毎日家のどこかしらで顔を合わせるとても身近な存在。それだけに、お互いのちょっとした変化にもすぐに気がつくものです。もし、「最近物忘れが増えてきた」「大事なものを失くす事が増えた」など、認知症の症状が出始めたら、まずはなるべく早めに医療機関を受診するよう、促しましょう。

認知症の症状が出るのはアルツハイマーに限らず、「慢性硬膜下血腫」「正常圧水頭症」など、早期診断・治療をすれば確実に治せるものもあります。また、アルツハイマー型認知症は治すことができない病気ですが、医師の適切な投薬・リハビリを早期段階からしっかり始めることで、症状の予防・改善できる可能性があります。介護する家族も、病気の知識がない状態では正しいケアをしてあげられないどころか、場合によっては症状を悪化させてしまう事もあります。やはり、病院で専門家からしっかり対応の方法を教えてもらうのが一番です。

家族も出来るケア「ユマニチュード」

ユマニチュード(Humanitude)とは、認知症の人をケアするための新しい方法。見る・話しかける・触れる・立つという4つを中心として、全部合わせると150もの方法があります。これを取り入れることで、薬の使用が減ったり症状が改善したなどの効果が報告されています。ここでは簡単に、それぞれの方法を解説していきましょう。

  • 見る
    患者さんの正面で、目の高さを同じにして近い距離から長時間見つめあいます。お互いの存在を確認でき、対等だと感じられるそうです。
  • 話しかける
    優しく前向きな言葉で繰り返し話しかけます。できる限り目を合わせて話しかけることで、脳を刺激します。
  • 触れる
    やさしく背中をさする、歩くときにそっと手を添えるなど、安心できるスキンシップをします。どこに触れるか言葉で教えてあげると、より安心感を得られます。
  • 立つ
    寝たきりにならないように、歯磨きや体を拭くときなどには自力で立ってもらいましょう。筋力の低下を防ぐ&視野を広げて情報量を増やし、脳を刺激する効果があります。

分かるとおり、難しいケアはありません。全て簡単にできる上、既にアルツハイマーの家族を介護している方は実践しているケースも多いのではないでしょうか。大切なのは、患者さんの進行段階に応じて、適切なケアから取り入れること。まだまだ元気に動けるのに寝たきり患者に行うようなケアをしてしまうと、患者さんが気分を害して家族の介助を受け入れなくなってしまうかもしれません。

市や介護支援団体に相談すべきこと

アルツハイマー型認知症は初めのうちは物忘れ程度ですが、進行すると家族だけでは手に負えない状態になることがあります。そういったときに焦らないよう、事前に必要なところへ相談して、準備を進めて起きましょう。

公共の窓口に相談する

どこの市役所でも、市民の健康に関する相談を受け付けてくれる窓口があります。中には認知症や介護に関する専門の窓口を用意しているところもあるので、自分の住んでいる市がどんな取り組みをしているのか調べ、一度相談にいきましょう。そこで必要になる手続きやしておいたほうが良いことを教えてくれるはずです。

要支援・要介護の認定を受ける

症状が進んでくると介護サービスが必要になりますが、そのとき「要介護」「要支援」などの認定を受けておくとスムーズにサービスが受けられます。また、介護サービス利用時の金銭支援なども受けられるので、積極的に利用しましょう。
ちなみに「要支援1」であれば、日常生活はまだ自分でできるものの、要介護予防の支援が必要な状態であればOK。市によりますが月額約50,000円ほど支援があります。

介護事業者・ケアマネージャー探し

徐々に介護ケアが必要になると、様々なサービスや介護用品、定期的な訪問サービスなども利用するかもしれません。その際、信頼できる介護事業者やケアマネージャーを見つけておくと話がスムーズに進み、家族側は要望を依頼するだけで済むので余計な苦労をすることがありません。
担当者・企業によっては患者さんのことより自分達の利益ばかりを優先することもありますから、慎重に選びましょう。

成年後見制度を理解しておく

判断力が不十分になってしまった人が不利益を被らないようにする制度のことを「成年後見制度」といいます。これを申請すれば、本人の署名のみでしか動かせないような不動産や預貯金などの財産を、申請者が管理することができるようになります。
まだ判断力が衰える前に「この人にお願いしたい」と指定する事ができるので、患者さんが一番信頼できる人にお願いする事ができます。

このような様々な制度のことを知っておけば、いざという時でも慌てずに準備が出来ます。高齢化社会が進み介護相談窓口が増えて利用しやすくなっていますので、気軽に相談してみてくださいね。

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