【予防・改善】アルツハイマー型認知症で知っておきたいこと

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【特集】アルツハイマーの最新治療! 軽度のアルツハイマーの症状が改善した研究結果とは?

ここでは、アルツハイマー病に関する最新の研究結果を紹介します。日本やアメリカで行われた研究の結果はそれぞれ驚きのものばかり。未来の治療につながるよう、現在も研究が進められています。

日本の研究結果「プラズマローゲン」がアルツハイマーを改善

2017年3月に発表された、日本での注目の研究結果についてご紹介していきたいと思います。医学雑誌「EBioMedicine」によると、「プラズマローゲン」という物質を、軽度のアルツハイマー型認知症患者に継続的に経口摂取させたところ、この患者の記憶力などが改善したとのこと。これは、アルツハイマー型認知症の治療において、大きな進歩となる一歩と言ってよいでしょう。(参照サイト:プラズマローゲン研究会より)

脳やストレスに関する研究を長年続けてきた藤野医師

この発表を行ったのは、九州大学名誉教授の藤野武彦医師を中心とする研究チーム。藤野医師は当初、主に心臓や血管(循環器)の臨床、研究を行っていたそうですが、肥満が原因で心臓が悪化してしまう患者、すぐにリバウンドしてしまう患者の研究を続けるうちに、脳が受けるストレスとの因果関係を発見しました。

また、1995年にアメリカの研究チームがアルツハイマー型認知症患者の脳内では、プラズマローゲンが減少していることをつきとめたという結果を聞き、ここから「プラズマローゲンを補うことで認知症が改善するのではないか?」という仮説に基づき、研究をすすめていきます。

そもそも、プラズマローゲンとは?

プラズマローゲンとは、人間をはじめ、さまざまな動物の体内に存在するリン脂質の一種です。例えば、ものを考えたり行動を起こす時、神経細胞は酸化を受けて劣化するのですが、その時に抗酸化作用を発揮し、劣化を防ぐ働きをするのが「プラズマローゲン」なのです。

プラズマローゲンは年々、減少していく一方

プラズマローゲンは生活習慣の乱れや食生活、年齢によって失われがちな成分でもあります。加えて、アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞へのダメージが原因とされています。

プラズマローゲンで記憶機能や周辺症状が改善!

  • 実験:プラズマローゲンを、60〜85歳からなる328人の軽度アルツハイマー病および軽度認知障害を対象に、24週間に渡って経口投与

気になる結果は、軽度のアルツハイマー患者において、記憶検査が大きく改善。血漿プラズマローゲンの濃度が改善したとのこと。また中程度アルツハイマー患者では約半数の改善が見られ、重度のアルツハイマー患者でも約3割に改善が見られたとのこと。さらには、幻覚・抑うつ・妄想・不潔行為などの周辺状況にも改善が見られたのだそうです。

この実験は、医薬品実験にも用いられる二重盲検試験(医師からも患者からも薬や治療法などの性質を不明にして行うことで、客観的な評価が行える手法)という厳しいエビデンス条件のもとで行われています。

以上の通り、プラズマローゲンは、厳しいエビデンス条件のもとで行われた試験において、アルツハイマー患者記憶機能の改善が期待できるという医学的な証明がなされました。

アルツハイマー患者本人にとっても、ご家族など介護を行う方にとっても、これはまさに、朗報と言ってよいのではないでしょうか。

プラズマローゲンが含まれている食品をチェック

藤野医師はプラズマローゲンの研究以外にも、脳とストレスについての研究についても取り組んでいます。

新皮質と旧皮質の関係が悪化している状態=脳疲労

人間の脳には新皮質と旧皮質という2つの司令塔があり、新皮質は思考や学習などの精神活動を、旧皮質は食欲や性欲などの本能をつかさどっています。人が外部からストレスを受けると、まず知的情報を処理する新皮質の機能が悪くなり、それが旧皮質にも影響。その結果、脳と体をつなぐ自律神経に狂いが生じて、不眠や意欲の低下、肥満の原因となる過食などの症状が現れます。こうした研究の結果、藤野医師は脳がストレスを受け、新皮質と旧皮質の関係が悪化している状態のことを「脳疲労」と定義。

脳疲労を解消する「BOOCS(ブックス)法」

ブックス法とは、脳にストレスを与えない生活を心がける、自分にとって心地よい方を選択する健康方法。たとえ医師から進められた健康のことでも、気がすすまないのであれば、無理して行わなくてはよいという、画期的なやり方です。2015年には約2万人を対象に15年間の追跡調査が行われ、BOOCS法により死亡率を低下させる事が明らかになったのだそうです。

アメリカで発表された研究結果

ブレデセン氏が提唱するアルツハイマー療法とは?

55~75歳のアルツハイマー型認知症患者10名を対象に、食事の改善・運動などを組み合わせた治療を行ったところ、10名中9名の症状が改善したり、正常に戻るなどの結果が出たと、アメリカ・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のデール・ブレデセン氏率いる研究チームの論文で発表されました。

アルツハイマーは一度進行したら治らないといわれているだけに、これだけ高い確率で改善が見られるのは画期的だといえます。

実際にアルツハイマーが改善した例(67歳の女性のケース)

この女性は、2年前までは、フルタイムの仕事についていましたが、データの分析やレポート作成に困難を覚えるようになり仕事を退職。治療の時点では、4桁の数字を覚えることができず、通いなれた道であっても迷うようになったり、愛するペットの名前も間違えるようになっていました。

デール・ブレデセン氏が提唱する治療を開始し、3か月後には、すらすらと電話番号を覚えられ、レポートも昔のように作れるようになり、なんと仕事に復帰できるまでに至りました。
現在、彼女は70歳で、再び症状が現れることなく仕事を続けています。その時行われていた治療プログラムは、以下のような内容でした。

  • 炭水化物の摂取を制限し20ポンドの体重減少
  • 加工食品の摂取を制限、野菜、果物、天然の魚の摂取の増加
  • ストレスを低減するために、ヨガを始める
  • メラトニン0.5mgの経口摂取
  • 1日の睡眠時間を、4時間から7時間に増やす
  • 毎日DHA・EPAを摂取
  • 毎日メチルコバラミンを摂取
  • 毎日ビタミンDを摂取
  • 毎日CoQ10を摂取
  • 電動フロッサーと電動歯ブラシを使用して、口腔衛生を最適化
  • 夕食と朝食の間に12時間絶食し、夕食と就寝の間に3時間以上あける
  • 最低30分間の散歩を、週4日~6日するようにした

アルツハイマーになる36の要因とは

デール・ブレデセン氏によると、アルツハイマーは以下で示す36個もの要因が関わっているそうで、どの要因が大きく関与しているかは人によって異なるのだとか。

1. βアミロイドの生成量減少
2. βアミロイドの分解量増加
3. βアミロイドオリゴマー化の減少
4. 脳由来神経因子(BDNF)の増加
5. 神経成長因子(NGF)の増加
6. G-CSFの増加
7. ADNPの増加
8. P型タウの減少
9. ホモシステインの減少
10. シナプスの増大
11. 4/2の減少
12. 分解されたβアミロイドの増加
13. アルブミン/グロブリン比の増加
14. 炎症の減少
15. NF-kBの抑制
16. GSH(グルタチオン)の増加
17. 抗酸化物質の増加
18. 鉄分の減少(&銅を減少させる亜鉛の増加)
19. CBFの増加
20. アセチルコリンの増加
21. α 7 シグナルの増加
22. βアミロイドの運搬増加
23. βアミロイドの撤去増加
24. ApoE4の効果減少
25. GABAの増加
26. NMDAの増加
27. ホルモンの最適化
28. ビタミンDの増加
29. pro-NGFの減少
30. カスパーゼ6の減少
31. N-APPの厳守
32. 記憶の増加
33. 活力増加
34. ミトコンドリア機能の増加
35. ミトコンドリアの保護物質増加
36. 年齢

年齢の他は、脳内に発生する物質やホルモンのバランスなど関わる要因が複合的に組み合わさり、人によってアルツハイマーの要因は異なっています。

現状国内の認知症患者数は約550万人、アメリカでも500万人以上いるといわれている患者の全てに対してどんな治療をしていけば良いのか、医師が診断していくのはなかなか難しいのではないでしょうか。

しかし原因が分析できたのであれば、「対処法がない」とされていたアルツハイマー病の研究において、いずれは個々に適切な対処法が取れるようになる一筋の希望の光であることは確かです。また、デール・ブレデセン氏によれば、多くの人に合致しやすい要因として、下記の方法を取り入れることを推奨しています。

参考サイト・参考文献CNNの記事日本語訳

アルツハイマー病と闘うための7つの方法

1:DHA・EPAを取り入れる

DHA・EPAには、脳の萎縮を防止したり、脳の細胞同士のつながりを強化する働きがあるため、認知機能をキープできるため積極的に取り入れましょう。

DHA・EPAについて詳しく

2:食事に発酵食品を取り入れる

胃腸の健康をはじめ、数多くの体調に関する要因があるので日頃から健康を保ちます。食事には発酵食品(乳酸菌や納豆菌など)を組み込むのがおすすめです。

ナットウキナーゼについて詳しく

3:食べない時間を作るなど、食事の方法を改善する

夕食から就寝までは3時間あける。また、夕食と朝食の間は12時間絶食して、胃腸を休ませるのが望まれます。また食事の仕方を配慮し栄養の取り入れ方を良好にしましょう。

食事の方法について詳しく

4:重金属のデトックスをする

食品に含まれる重金属は摂取過多にならないように注意します。また、デトックスに繋がる成分を取り入れるのも効果的です。

アルファリポ酸について詳しく

5:炭水化物・糖質を減らす

穀類や砂糖を摂りすぎると急激に血糖値が上がると体内に炎症を起こす可能性があるため、適量の摂取を心がけます。

血糖値の上がりにくい食事について詳しく

6:適正な睡眠時間

アルツハイマー病の元凶と言われている「アミロイドβタンパク」は眠っている間に脳内から減少するため、1日7~8時間の睡眠をとりましょう。

睡眠時間について詳しく

7:ストレスをためない

ストレスを受けると脳の記憶領域にダメージを与えるホルモンが出るため、程度な運動などを行いストレスをためないようにしましょう。

運動法について詳しく

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