【予防・改善】アルツハイマー型認知症で知っておきたいこと

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アルツハイマーの治療薬・治療法

ここではアルツハイマー病の進行を遅らせる治療に使われる治療薬の種類について、リハビリ療法・介護ケアの方法など、具体的な治療法についてお話しています。

アルツハイマーの治療は「進行をゆるやかにする」

アルツハイマー病は、現代医学においては、一度進行してしまうと元には戻せない病気というのが現実です。発症してしまったら、出た症状を元に戻すのではなく、進行をなるべくゆるやかにしたり、行動・心理状態に対処するような治療をしていきます。そうしたことで、患者さんのクオリティ・オブ・ライフを向上させることが目的といえます。

投薬治療で利用できる薬は、4種類

以前はアリセプトという薬1種しかありませんでしたが、近年3種の薬が使えるようになり治療の選択肢が増えました。これらのうち、アリセプト、イクセロンパッチ、レミニールの3つは、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬※1というグループに分類されており、効果などに共通点が見られます。一方、メマリーという薬はNMDA受容体拮抗薬※2という分類となり、上記の3つとは異なる働きをする薬です。

※1 コリンエステラーゼ阻害薬…脳内にアセチルコリンという物質を増やす働きがあります。このアセチルコリンが減ると物忘れが起こるとされており、記憶力を改善する効果が期待できるとされています。

※2 NMDA受容体拮抗薬…脳内のグルタミン酸を抑え、悪影響から神経を守る働きが期待できます。グルタミン酸が過剰になると、記憶に関係する神経の働きが悪くなり、思考や判断力に影響が出ると考えられています。

では、これらの4薬品について、より詳しく見ていきましょう。

アリセプト

別名はドネペジル。コリンエステラーゼ阻害薬のひとつです。認知症治療薬の中でも古くから使用されていて、錠剤、ゼリー状、シロップ状などの種類があります。症状の進行度合いを問わずに使えるのが特徴。一方で、他のコリンエステラーゼ阻害薬との併用は不可(メマリーとの併用は可)とされています。症状改善は50%程度、不変が35%程度と報告されています

イクセロンパッチ

別名はリバスタッチパッチ、リバスチグミンなど。貼り薬タイプのコリンエステラーゼ阻害薬になります。軽度~中等度のアルツハイマー病の治療に適しているとされており、必要な効果にあわせて量を調整しやすいのが特徴となっています。NMDA受容体拮抗薬のメマリーとの併用は可能。他のコリンエステラーゼ阻害薬との併用は不可となっています。

レミニール

別名はガランタミン。コリンエステラーゼ阻害薬のひとつで、日本では2011年より発売開始となりました。内服薬で錠剤タイプや内用液タイプがあります。こちらも軽度~中等度のアルツハイマー病の治療に適しているとされています。こちらも、メマリーとの併用は可能とされていますが、アリセプトやイクセロンパッチとの併用は不可とのこと。

メマリー

別名メマンチン。こちらは、コリンエステラーゼ阻害薬である上記の3薬品とは異なり、NMDA受容体拮抗薬に分類されます。中等度~高度のアルツハイマー病治療向けとされており、内服薬タイプで錠剤や少量の水で服薬できる「口腔内崩壊錠」などがあります。また、上記のコリンエステラーゼ阻害薬3薬品とはいずれも併用可能となっています。

これらの薬は人によって効果が高く出るもの、そうでないものがあります。また、限られた期間しか高い効果がでない場合も。しかし効果が出ないからといって、症状が進行しているのかといえば一概にそうとはいえません。進行を抑制できていれば、目に見える効果が出てこなくても「効いている」といえますし、薬を変えたからといってそこまで大きな結果は得られない、というのが現状のようです(人によっては良い反応が出る場合があります)。なので、薬の変更は医師と充分に協議することをオススメします。

患者のできることを生かす「リハビリ療法」

アルツハイマーのリハビリ療法は、脳に適度な刺激を与えることで認知症の進行スピードを緩めたり、失われた能力を回復させることを目的としています。一般的なリハビリは「できないことをできるようにする」ですが、アルツハイマーの場合はできないことを無理強いするのはNG。「できることを生かして活動してもらう」のが大切です。

回想法

過去の思い出や子供の頃の遊びなど、患者さん同士の共通する話題で語り合って脳を刺激します。楽しかった頃の話をすることで、一時的に病気の不安や混乱から開放され、心も楽になります。家庭でも取り入れられる上、患者さんも楽しくできる治療です。

絵画療法

言語や思考など左脳を使うのは苦手になりますが、感性・想像力など右脳の能力は比較的維持できます。単なる絵画ではなく一筆書きや刷毛を使うなど様々な方法で絵を描いて右脳を活性化させると、攻撃性や幻覚・妄想などの症状が改善される可能性があります。

音楽療法

好きな曲を聴いたり歌う、カスタネットやタンバリンなどを演奏します。コミュニケーションが難しい人でも、合唱などに参加して楽しむことができます。音楽は脳を活性化させるだけでなく、リラックス効果も高く食欲が増したり、よく眠れるようになる、笑顔が増えるなど良い効果がたくさんあります。また、思い出のある音楽を聴くと昔を思い出すので脳への刺激にとても良いです。

運動療法

30分程度のウォーキング等の軽い有酸素運動をします。話しながら楽しく歩くことで脳に多方面からの刺激を与えられるほか、体力維持もできます。

介護ケアで大切なのは不安を取り除くこと

アルツハイマーは徐々に進行する病気なので、介護ケアは失われた機能をしっかりと確認し、必要な援助を行います。患者さんは記憶や見識などの障害から始まり、色々なことがあやふやになっているため不安を感じているケースがとても多いです。そのため、集団で賑やかに過ごしたり、手を握る、添えるなど不安をぬぐうようなことを積極的に取り入れましょう。

また、もし患者さんが世界観の違う話を始めても、それを否定せずに受け入れ、一緒にその世界観に染まることで穏やかな時間を過ごすことができます。

アルツハイマー患者へのケアで注目の「ユマニチュード」

こうしたアルツハイマー患者へのケアとして注目されているのが、「ユマニチュード」という手法です。イブ・ジネストとロゼット・マレスコッティというフランス人で体育教師の経験を持つ2人によって確立されました。これまで、こうしたケアが上手くいかないとお悩みの方に、ぜひ知って欲しいと思います。

4つの行為の組み合わせ

その方法は「見る」、「話しかける」、「触れる」、「立つ」の4つの行為を組み合わせることが特色。

  1. 「見る」・・・同じ目線の高さ、または相手より下の位置から、約20cmの近距離で優しく目を合わせる。
  2. 「話しかける」・・・ケアを行なっている間は、優しい口調で、常に話しかけてあげる。
  3. 「触れる」・・・患者の身体に、包み込むように優しくゆっくりと触れてあげる。
  4. 「立つ」・・・立位でケアするなど1日20分以上は立つ機会を持つ。

こうした手法を用いることで、患者は「私も同じ価値ある人間なんだ」「大切にされているんだ」と感じ、ケアを行う者との信頼関係が生まれるとしています。ただし、上辺だけを真似するのは逆効果。真に心を込めて行うことが重要とされています。参考にしてみてください。

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