【予防・改善】アルツハイマー型認知症で知っておきたいこと

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良質なたんぱく質をとる

脳に良い成分DHAやEPAは青魚に多く含まれているため、魚中心の食事を心がけることがアルツハイマー予防の鍵です。食事の中心・たんぱく質はどのような選び方をすればよいのか、食事の栄養バランスが崩れるとどうなるのかについてわかりやすく紹介します。

肉より魚がオススメな理由とは?

アルツハイマー病患者の食事内容は、未発症者(患者家族)に比べ魚と緑黄色野菜の摂取量が少ないという結果が出たのだそうです。これは、自治医科大学の大宮医療医センター神経内科の植木彰教授らのグループが行った聞き取り調査によるもの。

(1000kcalあたり) 未発症者(患者家族) 発症者
魚の摂取量 59.3g 39.0g
緑黄色野菜の摂取量 69.9g 45.9g
リノール酸:α-リノレン酸 3.4:1 4.3:1

この調査では48人の患者と、その家族77人の食生活をリサーチ。両者を比較したところ、1000kcal当たりの換算で家族が平均59.3gの魚を食べていたのに対し、患者は39.0gしか食べていなかったとのこと。加えて、緑黄色野菜の摂取量も、家族は69.9gだったのに対し、患者は45.9gと、こちらも患者のほうが食べていないことが判明したのだそうです。

全体の食事内容を見ても未発症者はほどよくバランスが取れているのに対し、発症者は偏食の傾向がありました。また、摂取している栄養素の中でも「多価不飽和脂肪酸」という成分のバランスが特に悪いことが判明したそうです。

多価不飽和脂肪酸は、肉に多く含まれるリノール酸(n-6系脂肪酸)、魚に多く含まれるα-リノレン酸(n-3系脂肪酸)があり、その割合がリノール酸:リノレン酸=4:1程度が目安とされています。上記の表にも記載の通り、発症者のほうが肉をより好んで食べる傾向にあることがわかります。

昔の日本人の食事でタンパク質の補給源となっていたのは「魚」

戦前の日本では、タンパク質の補給源となっていたのは魚でした。とりわけ青魚類に含まれるEPAという成分は、動脈硬化を抑制する作用や、脳神経細胞の膜を柔軟にする働きがあり、脳神経細胞の情報の伝達や受け入れを活発にします。そのためには1日イワシ6匹を摂取するのが適当だそうですが、現代の日本においては、そうした食生活をしている方は、すっかり少数派となってしまっていますね。

現代は、食生活の欧米化が進み「肉食を好む傾向」

一方で、現代の日本においては、食生活の欧米化が進み、タンパク質の補給源として、肉食を好むようになっています。そうした中でも、鶏肉は魚に成分が近く、豚肉も脳の代謝に良いビタミンB1が豊富なため比較的よいのですが、牛肉はタンパク質に脂肪がたくさん付着しているというデメリットがあります。

魚と肉の働きを比べてみると…

  • 魚油であるEPAは、脳神経細胞を柔らかくする働き
  • 獣油は脳神経細胞の膜を硬くしてしまい、脳の活動が鈍らせてしまう。加えて、血中コレステロールも増えますので、動脈硬化も促進されてしまう。

ちなみに、昔から肉類が好きだった患者さんの食事メニューを魚中心に切り替え、DHAの服用をしてもらったところ、脳機能テストの点数が19点→25点まで回復したとのこと!認知症状の治療をしないと2年で5~6点下がるといわれているテストでこれだけの成果を見せたのですから、やはり魚のパワーはすさまじいのです。

認知症予防のオススメ食材は青魚!

先ほど出てきたα-リノレン酸に加え、EPA、DPA、DHAなどもn-3系脂肪酸に含まれています。これらは魚の中でも、青魚の油にたっぷり入っているのです。魚の種類ですが、マグロ、はまち、いわし、さば、ぶりなどがオススメ。魚の脂肪は酸化しやすいので、鮮度の高いものを選ぶようにしましょう。調理法法は色々ありますが、油を外に逃がさないムニエルや、最後までしっかり味わえる鍋(雑炊などでしめる)が最適。手軽に食べるという点ではお刺身も良いです。味噌煮や照り焼きは塩分量に注意しましょう。

1日に摂取したい魚の量はどれくらい?

なお、魚を1日120g食べていた人はアルツハイマー発症の割合が、食べていない人に比べ、1/5であることも調査でわかったそうです。参考までに、1日に必要な量をご紹介しておきましょう。

  • マグロのトロ…2切れ
  • タイの刺身…5切れ
  • イワシ…2匹
  • サンマ…1匹

もうひとつ余談として、かつてご長寿の双子姉妹として話題となったキンさんギンさん。実は、ギンさんは生前、脳に老人斑ができていたものの、アルツハイマー病を発症していなかったのだそうです。その理由は、ギンさんは魚を好んで食べていたから、というエピソードも紹介されています。

その他に積極的にとりたい食品

納豆や枝豆などの大豆タンパクは食物繊維とカリウム(塩分を体外に排出)も豊富なので、是非食べていただきたい食品です。さらに大豆に含まれる成分として知られるイソフラボンには、認知機能を改善させる効果が期待できます。

お肉はあまり脂肪分の多くないもののほうがよく、高たんぱく低脂肪な鳥のささみや胸肉がオススメ。卵も良質なたんぱく質を含んでいますから、摂取したほうがよいでしょう。とはいえ、同じ魚やお肉の部位ばかりだと栄養が偏ってしまいます。牛や豚などのお肉も適度に取り入れ、バランスよく食べることが大切です。

偏食は危険!好き嫌いせずなんでも食べましょう

例えばステーキや焼肉などの美味しい肉料理が出てきたときの心がウキウキする感覚は、実は脳を活性化させる効果があります。こうした点からも、肉を一切食べてはダメということではなく、数日に一回程度楽しみ、あとは魚や豆類をメインに、というのが現実的と言えるでしょう。

アルツハイマー型認知症になる人の食事内容を見ると、お菓子やケーキを食事代わりに食べていたり、食事時間が不規則だったり、緑黄色野菜が少なかったり…といった偏食を若い頃から続けているケースがよく見られます。また、脂質や糖の取りすぎになっている傾向もみられ、1日に必要なカロリーを平均40%もオーバーしているのだとか。

このような食生活をしていると、体を健康に保つために必要な栄養素が不足して生活習慣病になるほか、脳に必要な栄養も不足してアルツハイマーを発症する可能性が高いとのことですから、日頃から食事内容には気をつけて、炭水化物、野菜、たんぱく質をしっかりとり、さらに肉と魚を選べるときは魚にする、などできるところから食生活を見直して、認知症を防ぎましょう。
 

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